CASE 31

株式会社honshoku

(2022年1月1日~現在)

新たなスタイルの『食の学び舎』を、
サステナブルな視点から主体的に支援してもらえた

食に関する課題を抱える人々に伴走しながら、企画・制作を提案するクリエイティブチームhonshoku。2020年には「食」を通じて自然環境や社会、生きるとは何か?ということについて考える食の学び舎、フードスコーレの運営が始まりました。その記念すべき第1回目に立ち上げられた講座の一つである「SDGsクラス」の担当として、ひとしずくにお声かけをいただいて以降、フードスコーレの運営メンバーとして携わっています。 また、2022年1月の業務提携により、今まで協働して実施してきた業務を拡大させ、サステナビリティ領域における食のあり方の提案やコンテンツ開発を進めてきました。 食とサステナブル領域の関係性、ひとしずくと協働して良かった点やこれから共に実現したいことについてお話しをお伺いしました。

「サステナビリティ」と「食」を語るユニークで新しい視点が必要だった

株式会社honshoku 代表取締役社長 平井巧さん

ひとしずく担当 こくぼ ひろし(以下、こくぼ):
最初の出会いは、2019年から数人の経営者で開催している「孤独な経営者合宿」でしたね。

株式会社honshoku 代表取締役社長 平井 巧さん(以下、平井さん):
開催されたのが年末で、例年はバタバタしていてスケジュールが埋まっているのですが、たまたまスケジュールが空いていて。ミラクルが起きました(笑)。こくぼさんとは初対面で、お仕事をご一緒するというより、お酒をご一緒しながらいきなり腹を割って話すみたいな感じでしたね。その後、個人的にフードスコーレの仕事をお願いしました。

こくぼ:
合宿後すぐにお声がけいただき、フードスコーレの「SDGsクラス」を担当させていただきました。あの時はフードスコーレを立ち上げたばかりでしたよね?

平井さん:
はい。しかもZoomにも皆慣れていない状態の中で、オンラインのみの開催でした。 手探りの状態で、どこまでできるんだろう?という状況で。「フードスコーレ=食の学び舎」とはいえ、「食」はとても広い概念で、他の様々な領域に紐づいていると思うんです。

特に、「食」と「環境」は今の時代考えなければいけないこと。一方で、地球環境に配慮したら、現在の自分たちの「食」が成り立たないという難しさもあります。スケールが大きすぎて自分には関係ないと感じたり、未来が怖くなってしまったり。未来を憂う話も多いです。深刻なテーマではあるけれど、楽しさも感じながら進むにはどうすべきかは今も模索していますし、当時も分かっていませんでした。

ぼくには、「フードロス」という専門分野はありましたが、別の視点で食とサステナビリティについて語ることができるこくぼさんにお願いしようと思ったんです。一緒に取り組むのはもちろん、自身のためにこくぼさんのやり方を学ばせていただく、という感覚もありました。

こくぼ:
ご依頼いただいた時は、ちょうど視察でスウェーデンへ行ったタイミングでした。それまでは未来を憂いていたのですが、SDGsに先進して取り組んでいるスウェーデンの様子を見て、希望を感じ、これは伝えたいなと思っていたタイミングでした。フードスコーレでは、ゲストを招いて「食」をテーマにしたSDGs先進国のスウェーデンの取り組みなどについてお話いただく機会も設けました。声をかけてもらい、自分の未来への向き合い方にも共感いただけたのかな、と感じとても嬉しかったです。

平井さん:
そうですね。ぼくはこくぼさん個人と出会ってから、ひとしずくのことを知りました。忙しそうだな、行動力もすごい方だな、と思って。「ソーシャルグッド専門のPRってなんだろう?」「”後方”支援ってなんだろう?」と、どんどん気になっていきました。合宿の後、改めてひとしずくのHPなどを拝見して、あの時こくぼさんが言っていたのはこういうことだったのか!と納得することが多くて。広報と後方をかけていることが分かって、ダジャレも好きなんだろうな、とか(笑)。信念だけでなく、ユニークさも感じたから惹かれたのだと思います。それがなかったらフードスコーレはお願いしていませんでした。

「主体性」がひとしずくの後方支援の魅力

フードスコーレで開催した「SDGsクラス」の様子

こくぼ:
平井さんの考えるフードスコーレは、「単なるオンラインスクール」ではなく、学び合いの意義を大切にしているところにとても共感しています。平井さんは呼吸をするように様々な物事を吸収、咀嚼して発信する力がすごいと思います。
自分の考えとは、どうしても偏りがちですが、信念を持ちながらも柔軟に物事を取り入れていく平井さんの姿勢にはとても刺激を受けました。

平井さん:
大学のとき数学を専攻していたのですが、数学は算数と違い、公式を覚えれば良いというものではなくて。自分で問いをつくり、今まで得た知識を武器にして解いていきます。そこで培われた思考プロセスが影響しているのかもしれません。

こくぼ:
初めてお会いした時は、平井さんの問いに対する向き合い方が新鮮で、当初は数学の問題を解いているようなその姿が、不思議でした(笑)。

平井さん:
ぼくにとってもこくぼさんは不思議ですよ。今もですが(笑)。

ぼくも以前は広告業界にいたのですが、一般的に広告業は主体的に行動を起こすよりも、クライアントの持ち得ない視点から発信をお手伝いするという意味合いが強いと捉えていて、とても素晴らしい仕事だと感じています。

ひとしずくも同じだと思っていたのですが、全く違いました。こくぼさんや一緒に働くメンバーを見ていると、客観的な視点も持ちながらも主観を交えて主体的に行動していますよね。

こくぼ:
せっかく相談をしていただけたのだから、オリジナリティをしっかり出そう、という思いは常にありますね。パートナーさんが取り組む社会課題に対して、私たちも主体性を持ってその社会課題にどんな取り組みができるか、自分がこの仕事に関わった証をどう残すか、ということはいつも考えています。

平井さん:
それ、わかります。ぼくも「やってよかった」と思えるような仕事をすることは常に心がけています。

こくぼ:
フードスコーレのSDGsクラスで、ひとしずくと協働して良かったと感じる点について教えてください。

平井さん:
初めての取り組みだったので手探り状態でした。今まで事業の立ち上げを沢山経験してきましたが、フードスコーレは特別でした。なぜなら、自分がやりたかったことだからです。それゆえ、ぼくのビジョンも常に更新されていて。そういう時、チームでやるよりも、一人で企画を進めた方が意識共有の必要がないので楽に感じることもあります。でも、それだと大きなことはできないんですよね。
フードスコーレは、主体的なメンバーが関わってくれたからこそ、常にぼくの状況を確認しながら、時に意見を投げかけてくれました。だから、ここまでやって来れたのだと思います。

こくぼ:
フードスコーレを見ていて感じる良い点は、企画を進めて出てきた「モヤモヤ」に対し、面倒くさがらずに徹底的に向き合っているところ。通常なら、トップダウン的に決めてしまったり、細かいから後回しにしてしまったりとなるところを、課題に対して一つ一つ丁寧に向き合っている。時間はかかるけれど、日々前進しているなと感じます。

「食」をテーマにした子どもたちの学びの場を一緒につくりたい

「『食』を教材にした学び合いの場をこれからも一緒に作っていきたい」

こくぼ:
平井さんの目から見て、ひとしずくの業務に関する改善点やアドバイスはありますか?

平井さん:
何でしょうね。こくぼさんって弱点が見つからないんですよ!そこが弱点ですかね。それをどうすればいいのか、アドバイスは思い浮かばないのですが。

こくぼ:
初めて言われました(笑)。

平井さん:
こくぼさんはいつも「後方支援」で誰かの背中を押すことが多いですけど、いつか、こくぼさんが逆の立場になって、自身の企画について周囲からアドバイスを受けながら支援される図も見てみたいと思いますね。

こくぼ:
今のひとしずくの仕事は、自分よりも相手や課題が起点になっています。なので、いつも逆の立場をイメージして、「自分がクライアントだったらこういう伴走をしてほしい」と想像しながらずっと動いてきました。やはり、後方支援は自分のミッションだと感じているのですが、少しずつ自分の理想の支援が形になってきた暁には、自分のやりたい企画にチャレンジしてみたいですね。

今後、honshokuさんが、ひとしずくと一緒に実現したいことはありますか?

平井さん:
沢山ありますね。特に思っているのは、子どもたちの教育です。

ぼくは、高校で食に関する授業を担当しているのですが、環境問題はじめ社会課題の話について、子どもたちが「つまらない」と言っているのをよく耳にします。

社会課題に関する授業でありがちな、大人たちがつくった未来を憂えるような危機感をあおる映像は、事実かもしれないけれど、ただ恐怖心を植え付けて終わっているような気がするんです。

こくぼさんも、「解決が難しい環境問題を大人が引き起こし、その責任を子どもたちに押し付けるのは間違っていて、解決策が分からないから一緒に考えてほしいという姿勢が大事ではないか」とおっしゃっていました。もし、同じ問題意識なのならば、子どもたちにとって良い「食」を教材にした学びの場を一緒に作っていけたら嬉しいです。

こくぼ:
いいですね。ぼくも子どもたちを見ていて、とにかく体験が大事だな、と思います。そう思って、息子と一緒にフードスコーレの企画に参加したのですが、全然話を聞いていないように感じたので、親としては複雑な気持ちでした。でも、学校の宿題で書いていた日記を見たら、本人はすごく心に響いていたようで、安心しました(笑)。フードスコーレのように、「教える」のではなく、子どもたちが「自然に学びとる」機会をつくることも大切だと思います。親世代が学んでいる姿を子どもたちに見せる、というのも一つの教育だと思います。

平井さん:
「子どもだから」と、学びの内容を限定するのが良いわけでもないですよね。それに、食の領域は、とても広くて複雑なので学校の先生も学びのアップデートが大変だと思います。教材を通してその支援もできたら良いですね。

撮影:ほりごめひろゆき 編集:つじはらまゆき

RECENT WORKS

社名ひとしずく株式会社
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小田原支社:〒250-0004 神奈川県小田原市浜町3-1-40
電話045 900 8611
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メールinfo@hitoshizuku.co.jp
代表こくぼひろし
設立2016年3月
資本金3,000,000円
事業内容広報及びパブリックリレーションズ代理業
ソーシャルグッドプロジェクトの企画・制作・運営
顧問弁護士丁絢奈(よこはま第一法律事務所)
税務顧問元小出 悟(会計事務所ユニークス)
顧問社労士社会保険労務士法人ワーク・イノベーション