CASE 27

合作株式会社

(2021年8月〜現在)

地域プロジェクトは広報人材が必要。ひとしずくと培った経験を他地域へ

これまで14回にわたり資源リサイクル率日本一を達成している町、鹿児島県大崎町。住民・企業・行政の協働による「大崎リサイクルシステム」は、国内のみならず海外からも注目されています。合作株式会社は、大崎町SDGs推進協議会の事務局として、大崎町のサーキュラーヴィレッジ構想の実現に取り組んでいる会社です。合作と、その広報をご支援してきたひとしずくは2022年4月、業務提携を行いました。大崎町での経験を活かし、他地域におけるサーキュラー・エコノミー事業も推進していきます。合作株式会社 代表取締役の齊藤 智彦さんに、大崎町で取り組む広報活動やひとしずくへの期待、今後の展望を伺いました。

合作の組織体制や事業の目的を踏まえた提案に納得感があった

合作株式会社 代表取締役 齊藤智彦さん

ひとしずく担当 こくぼ(以下、こくぼ):
初めてお声がけをいただいたのは、2021年の8月でしたね。当時、どのような課題があったのか、あらためて教えてください。

合作株式会社 代表取締役 齊藤智彦さん(以下、齊藤さん):
大崎町が20年にわたり行ってきたリサイクルシステムを、社会全体の価値に広げていきたい。そう考えて、2020年に設立したのが合作です。社会に広めていくには、町外の協力者が欠かせません。「一組織ではできないことの限界を合作で克服する」という思いで「合作」と名付けました。

まずは大崎町を知ってもらうため、広報に力を入れることにしました。広報人材を採用したところでしたので、合作の役員である鈴木を通じて、ひとしずくさんに広報戦略を作るサポートをしてもらえないかとご相談しました。

こくぼ:
なぜ弊社にご相談をいただけたのでしょうか?

齊藤さん:
初めに、「広報をどう考えたら良いか教えてもらえますか?」とお願いしましたよね。ご説明にとても納得感がありました。掲載数やページビューを稼ぐといった単純な話ではなく、合作の組織体制や事業の目的を踏まえて、どうやって動かしていくかに言及していただいた。僕らの考え方と合っていると感じたので、お願いすることにしました。

こくぼ:
振り返れば私自身、大崎町を初めて知ったとき、ワクワクしたのを覚えています。こんなにリサイクル率が高く、未来につながる仕組みを作っている町があるのかと思いました。合作さんからお声がけいただいてとてもうれしかったです。実際にご支援させていただいて、ひとしずくのサポートをどのようにお感じですか?

齊藤さん:
「こう見えたほうがいい」と示してくれるスタイリストのような印象を持っています。日々模索しながら進んでいるスタートアップ企業ですので、自分たちでは芯を持った言葉を作りにくい面があったと思います。ひとしずくさんが第三者の立場から「こっちですよ」と言ってくれる安心感がありました。

こくぼ:
ひとしずくの役割を「スタイリスト」と表現していただいたのは初めてです。それができるのは、実際の活動の中身が充実しているからこそだと思っています。この領域においてこう見えてほしいという我々の想いも伝え、日々皆さんと議論しながらチームとして一緒に進めていると感じています。

齊藤さん:
僕らは住民の方や役場、事業者の方と接する機会が多いですが、僕らから見えないところにも、大崎町の動きを気にしてくれているファンがいると思っています。そういう方とは今すぐにプロジェクトが生まれるわけではないものの、つながりを保っていきたいと思っていて、その方々との関係性のデザインという役割をひとしずくさんにお願いしているのだと思います。

こくぼ:
今日は視察にも同行させていただいて、小学生がリサイクルを自らの生活として実感し、誇りを持っていることが印象的でした。取り組みが、町の人の自信につながっている。このことは、町外に伝えていくときにも大切な「根っこ」になると思います。

丸投げする受発注関係ではなく、「合作」している

大崎町SDGs推進協議会として合作が取り組む「OSAKINIプロジェクト」での視察の様子

齊藤さん:
こくぼさんは、合作と関わってどうでしたか?

こくぼ:
合作の皆さんの一員に加えていただき、転職したような感覚がありました(笑)。関わり方については、どのようにチームに関わるか、私たちのスタンスが途中で変わったと感じています。初めは役員の皆さんの思いを広報戦略に落とし込むという関わり方でしたが、お話するうちに、現場での業務整理や制作、視察・イベント対応が大変だとわかり、ある時からディレクションにも入るようになりました。ギアが明らかに変わった瞬間だったのだと思います。

齊藤さん:
そうでした、お互いに「動向窺い」の期間がありましたね。僕としては「もっとグイグイやってもらっていいんだけどな」と思っていた部分も(笑)。とはいえひとしずくさんは、初めからずっと、ペースに安定感がありますよね。ギアが変わった今も、決してプレッシャーを掛けられるような感じではないです。

こくぼ:
「後方支援」ということを大切にしているため、皆さんの気持ちが追いついていないのに、無理に進めることがないようには意識しています。ただ確かにもう少し、最初から踏み込んで関わってもよかったかもしれません。今は決裁まで任せてくださっていますが、なぜそのような形になったのでしょうか?

齊藤さん:
単純に、ひとしずくさんのほうが、広報経験があるからです。そもそも合作は「なにか持っている人と一緒に働くことこそ喜び」というコンセプトも大切にしています。今、合作とひとしずくが「合作」しているのでしょうね。合作側が方向性を決めて「この成果を出してください」とひとしずくさんに丸投げする受発注関係ではなく、お互いの力を合わせてプロジェクトを進めている。これからもっと良い形に進んでいくのではないでしょうか。

プラクティスを他地域に広める仕組みを一緒に考えたい

「外部の『アドバイザー』ではなく、役員と同じ目線で一緒に取り組んでもらうことを期待していた」と齊藤さん

こくぼ:
今回の業務提携を踏まえて、これから様々な形でご一緒させていただくのが楽しみです。

齊藤さん:
大崎町のプロジェクトは、ひとしずくさんにご支援いただいたことでいろんな方の目に止まるようになり、期待がさらに高まっていると感じます。地域でプロジェクトを行うとき、事業や営業の人材だけでなく、広報の人材が必要です。他地域に展開できるような基盤を今、ひとしずくさんと一緒に作っているのだと思います。

こくぼ:
私たちも未来につながる形をともに作っているという感覚を持っています。齊藤さんがこれから実現したいことはありますか?

齊藤さん:
大崎町では地域と企業の接続がとても良い形になっていますが、僕らだけが「いい感じ」でいるのではなくて、やはり他の地域でも再現をしていきたいと思っています。プラクティスを広めていくための仕組みから、一緒に考えていけたらと思います。

 
撮影:ほりごめひろゆき 編集:近藤圭子

RECENT WORKS

社名ひとしずく株式会社
所在地本社:〒231-0003 横浜市中区北仲通3-33
大磯オフィス:神奈川県中郡大磯町大磯636-1
電話045 900 8611
FAX045 330 6853
メールinfo@hitoshizuku.co.jp
代表こくぼひろし
設立2016年3月
資本金3,000,000円
事業内容広報及びパブリックリレーションズ代理業
ソーシャルグッドプロジェクトの企画・制作・運営
顧問弁護士丁絢奈(よこはま第一法律事務所)
税務顧問元小出 悟(会計事務所ユニークス)
顧問社労士社会保険労務士法人ワーク・イノベーション