CASE 22

株式会社東北新社

(2019年12月~2020年3月)

パパを応援するウェブメディア「家men」の
認知拡大に向け、意識調査をサポート。
新しい時代のパパ像と日本社会の課題を浮き彫りにする

これまで、家族や子どもに関わる団体の後方支援や自主事業を手がけてきた、ひとしずく。その実績から、総合映像プロダクションの東北新社が運営するパパ向けウェブメディア「家men」からご依頼をいただき、メディアの認知拡大戦略の一環として、家族の意識調査をサポートすることに。「家men」の価値を高め、持続可能なビジネス支援を目指したなかで、「メディアとしての存在意義を考えさせられた」と語る編集部の四禮 遥さんとともに、取り組みを振り返りました。

共働き世帯は増えているのに、パパの悩みに寄り添った情報が少ない。パパを応援するメディアがあるということを届けたい

株式会社東北新社 四禮 遥さん

ひとしずく担当 こくぼ ひろし(以下、こくぼ):
今回、弊社は、東北新社さんが運営する自社ウェブメディア「家men」の後方支援をさせていただきました。「家men」について、改めてご紹介いただけますか?

株式会社東北新社 四禮 遥さん(以下、四禮さん):
「家men」は、「パパから家族を笑顔に」というコンセプトのもと、家事を切り口として、2017年に創設したパパ応援ウェブメディアです。

「人生100年時代」とされる現在、人々の生き方や働き方、家族のかたちが多様化していますよね。そこで我々は、男性に、夫として、父親として、ひとりの男の人として、日々の生活やこれから先の人生をより幸せに過ごせるきっかけを見つけてもらえるように、「家men」を立ち上げました。家事や育児の楽しみ方から夫婦や家族間のコミュニケーションまで、男性視点に基づいた情報を日々発信しています。

こくぼ:
メディアのターゲットとしてパパに焦点を絞った背景には、どのような経緯があったのでしょうか?

四禮さん:
東北新社は、映像に関するあらゆるエンターテインメント事業を行っている会社です。映画やCMの制作、衛生放送事業など、幅広く展開していますが、私の場合は、受注する仕事が多かったんですね。ゼロからコンテンツをつくって発信することは、機能としてはできるけれど、事例としてはこれまであまりなかったんです。

そこで、せっかくノウハウや人材という強みがあるのであれば、会社として新規事業を開発しようということになり、数年前にチームが組まれました。そのなかで議論を重ね、社会のなかで困っている人たちの課題を解決するような事業をしようという方向になったんです。

当時から既に、日本の共働き世帯は増加の一途をたどり、共働き世帯数が約1,200万、専業主婦世帯数が約600万世帯と2倍の差になり、「仕事と家事の両立」や「男性の育休取得率の少なさ」などが社会問題化していました。

そのような現状にも関わらず、ママ向けの情報やサービスは充実しているものの、パパの悩みに寄り添ったものが少ないと感じていたんです。それなら、パパに焦点を当てて支援しようと、「家men」を立ち上げました。

こくぼ:
私自身も二児のパパとして、いつも「家men」から役に立つ情報を得ていました。おっしゃるとおり、これまでママ向けのメディアは多かったけれど、パパ向けのメディアが少ないと感じていたので、パパに注目した視点が素晴らしいと思います。メディアを運営してから感じた課題はありましたか?

四禮さん:
はい。共働き世帯は、夫も妻も家事に費やせる時間が限られているため、思うようにできず、家事が夫婦の悩みや喧嘩の原因となることが多くあります。

そこで、「家men」は、ふたつのミッションを掲げました。ひとつめは、家族の笑顔を減らさないために、効率的な家事ハックや上手な家事シェアのコツなど、充実した家事情報を発信すること。ふたつめは、家族の笑顔を増やすために、家事や育児にとどまらず、家族で楽しめるような情報を発信すること。

しかし、ウェブメディアの場合、一方向のコミュニケーションに陥りがちです。正直、ウェブメディアだけで、ミッションを実現してユーザーの満足度を上げるのは難しいと感じていました。そこで、家族向けイベントの開催や、Facebookグループを通じたコミュニティの運営を始めたんです。

とはいえ、新規事業である「家men」は、世間の認知度が低い状態でした。まずは、認知度を上げないと、記事を読んだり、イベントに参加していただいたりすることにもつながりません。そこで、ひとしずくさんに認知拡大を図るための後方支援をお願いしました。

打ち上げ花火のように一過性のPRではなく、現代社会におけるパパや家族の意識を浮き彫りにした調査ができた

こくぼ:
調査リリースの作成を主に、広報戦略策定・実務のサポートをさせていただきましたが、弊社にお声がけいただいた理由はどのようなものだったのでしょうか?

四禮さん:
ひと口に「パパを応援」と言っても、いろいろな訴求ができますし、PR会社さんにも、それぞれの特色や強みがありますよね。たとえば、タレントさんに「家men大使」のような立ち位置でご出演いただき、華やかなPRイベントを開催するということもできると思います。

ただ、「家men」の場合、エンタメ色が強い手法は違うように感じたんです。もっとパパの悩みに寄り添えるような訴求がしたいと考えました。

その点、ひとしずくさんはソーシャルグッドな実績が豊富なPR会社で、家族や子どもについての知見をお持ちだと伺ったので、ご依頼しました。

こくぼ:
まさに我々も、人に寄り添うPRがしたくてこれまで続けてきたので、そのようにおっしゃっていただけると、本当にうれしいです。

エンタメではなく、社会課題を解決するんだという意識で訴求をされるにあたり、我々がご一緒したことで意義を感じられた点があれば教えてください。

四禮さん:
今回、ひとしずくさんには、「令和元年のパパに関する意識調査」、「家庭のYouTube視聴に関する意識調査」という、ふたつのテーマの調査をサポートいただきましたが、テーマの検討や設計段階からご意見をいただけたことがよかったと思っています。

特に、「令和元年のパパに関する意識調査」は、「新しい時代のパパたちはこう考えていると、令和元年のパパ像をファクトとして打ち出しましょう」と、こくぼさんからご提案いただいたおかげで、多くのメディアに取り上げていただけました。

調査リリース配信の数か月後、もしくは数年後でも、「令和元年のパパたちはこうだった」と、各所でご使用いただけるデータを発信することができたのではないかと思います。

1月18日(いいパパの日)を前に、「令和元年のパパに関する意識調査」の結果について、プレスリリースを配信した

こくぼ:
私は、もともとパブリシティだけではなく、「家men」のメディアとしての価値が高まり、パートナー企業とのビジネスマッチングにつながればと考えていました。その後はいかがでしたか?

四禮さん:
初めてお会いするクライアントさんや協力会社さんには、「家men」がどのようなコンセプトのメディアなのか、どんな活動をしているのかということから、ご説明しています。その際、「主体的に意識調査をして発信し、このような媒体にご紹介いただけました」と掲載紙面をお見せすると、先方に安心していただけますね。

また、父親の調査データ自体が少なく貴重なので、ファミリーをターゲットにしている企業の方からも「とても面白いデータですね」と言っていただけるなど、営業にも役立ったと感じています。

こくぼ:
そのほかに、調査データを活用したことはありましたか?

四禮さん:
「家men」を紹介するために、私自身がイベントに登壇させていただく機会が増えたのですが、そのときも活用しましたね。他メディアや一般の方々にも、日本のパパたちの現状を知っていただくことができたと思います。

最近、外部の方とお話する際に、「家menの取り組み、いいね」と言っていただけることが増えて、とてもうれしく感じています。

“線の施策”を提案し、持続可能なビジネスを後方支援。“未来の普通”を一緒につくる

これからのライフスタイルマーケティングを考えるイベントを開催。同じ志をもつ横のつながりを築く

こくぼ:
それはよかったです。調査以外のサポート部分に関してはいかがでしたか?

四禮さん:
広報戦略会議のなかでご提案いただいた企画は、実のあるものばかりだったと思います。

ひとしずくさんは、社会課題へのアンテナが高いので、課題にアクションするアイディアをたくさんいただくことができました。

たとえば、「パパの味方である『家men』の認知度を高めるのであれば、ソーシャルグッドな活動をすることもひとつの手法なのではないか?」という視点を授けていただくなど、メディアとしての存在意義を考えさせられましたね。

こくぼ:
私も「家men」さんとのお仕事を通じて、パパ目線で世の中を見たり、自分自身のパパとしての行動を振り返ったりするようになりました。当事者として、意見をお伝えできたかなと思いますね。

四禮さん:
ほかにも、“点の施策”ではなく、“線の施策”として考えてくださったのもありがたかったですね。その施策がどれくらい営業機会を得られるような一手になり得るのかを始め、売上が直接上がるわけではなくても次につながるアクションまでを見据えてご提案くださったのが心強かったです。

こくぼ:
そうですね。たとえ単発の案件だったとしても、パートナーさんにとって持続可能なビジネスを後方支援するという想いで向き合っていますね。

ちなみに、「もう少しこうできたらよかったのに」と思われた点はありましたか?

四禮さん:
ひとしずくさんに対してというより、たくさんご提案をいただいたにも関わらず、予算やスケジュールなど弊社都合で実施できなかったのが、残念でしたね。

こくぼ:
今後、機会があればぜひ実現したいですね。

四禮さん:
そうですね。ファミリー業界やパパ業界は狭いので、日本のパパたちを応援するためには、横のつながりを築くことが重要だと思います。「家庭のYouTube視聴に関する意識調査」では、キッズ&ファミリー向けに特化したクリエイターのためのコミュニティーサービス「Hapiton!」を運営するSCデジタルメディアさんと組ませていただきましたが、今後も同じ志をもつ方々と協働できればと考えています。

日本の社会はパパたちのためにもっと変わらないといけないし、パパたちの意識を変えるために必要な情報を提供するのがメディアの役割なのではないでしょうか。

パパたちに伺うと、「家事や育児、夫婦の悩みを打ち明けられる人が周囲にいない」という方がとても多いんです。だからこそ、パパが本音で語れるような、家庭と職場以外のサードプレイスを「家men」のコミュニティを通じて提供しながら、業界の皆さんとも一緒につくっていければいいなと思います。

こくぼ:
私自身もパパとしての悩みをアウトプットする場が少ないと感じていました。フラットに相談できる仲間がいれば心強いと思いますね。

四禮さん:
日本の男性の育児休暇制度は、内容自体は世界水準と比べても遜色がないのに、取得率は約7%と圧倒的に低いです。

その背景には、上司の理解がないなど、取得しづらい職場の空気があると思います。企業を含めた社会全体が変わらないと、取得率の上昇に結びつかないと思うので、我々を含めたメディアが根気強く伝え続ける責任を感じていますね。

いつか、日本中のパパたちが「今日は早く帰って、子どものお迎えに行くんです」と堂々と言える日が訪れることを願っています。

こくぼ:
信念を持って、“未来の普通”を一緒につくっていきましょう。これからもよろしくお願いいたします。

 
一部写真提供:株式会社東北新社

RECENT WORKS

社名ひとしずく株式会社
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メールinfo@hitoshizuku.co.jp
代表こくぼひろし
設立2016年3月
資本金3,000,000円
事業内容広報及びパブリックリレーションズ代理業
ソーシャルグッドプロジェクトの企画・制作・運営
顧問弁護士丁絢奈(よこはま第一法律事務所)
税務顧問元小出 悟(会計事務所ユニークス)
顧問社労士社会保険労務士法人ワーク・イノベーション