CASE 17

株式会社HITOMINA

(2019年3月)

首都圏最大級のファミリーイベントに、「CHART project®︎」を出展。
社会課題を題材にした唯一のブースとして、新たなチャレンジを

ひとしずくが立ち上げ、特許を取得している「CHART project®︎」。さまざまな社会課題を表すデータのグラフ(チャート)の線を活かし、アート作品に生まれ変わらせるプロジェクトです。これまでも展覧会などで作品を発表してきましたが、今回出展させていただいたのは、首都圏最大級のファミリーイベント「かぞくみらいフェス2019」。イベントの来場者数は2万4,000人を超え、作品展示とワークショップを開催したCHART projectのブースも、これまでのCHART projectイベント最多となる約200名の方々にご参加いただきました。出展をお声がけくださったイベントディレクターの杉山直子さんと、お取り組みを振り返りました。

イベントのテーマが“自由”に決まり、CHART projectが思い浮かんだ

株式会社HITOMINA 代表取締役 杉山直子さん

ひとしずく担当 さとうりえこ(以下、さとう):
ファミリーが楽しめる情報・PR、イベントを企画運営するHITOMINAさんと弊社は、以前からお付き合いをさせていただいていますね。改めてきっかけを教えていただけますか?

株式会社HITOMINA 代表取締役 杉山直子さん(以下、杉山さん):
3年ほど前、ひとしずくさんがPRをされていた、セルフリノベーションワークショップを全国で展開する「KUMIKI PROJECT」の企画で、ひとしずく代表のこくぼさんとお会いし、そこからひとしずくさんのイベントのライティングをHITOMINAにご依頼くださったのを機に、お仕事をいただいたり、こちらからお願いしたりと、相互に協力し合う関係になりました。

さとう:
いつもありがとうございます。今年3月、ひとしずくは、東京国際フォーラムで開催された「かぞくみらいフェス2019」にCHART projectを出展させていただきました。まず、かぞくみらいフェスの概要を改めて教えていただけますか?

杉山さん:
かぞくみらいフェスは、マムズラボ株式会社と一般社団法人JAPAN FAMILY PROJECTが実行委員となり、2017年から開催しています。これからの家族が体験する“ちょっと先の未来”をイメージするための場として立ち上げました。
そこで家族を中心とする来場者に何かを体験してもらい、さらに体験するだけではなく、“気づき”を得て帰ってもらう−それは、将来の夢につながるものかもしれないし、明日の便利を叶えてくれるものかもしれない。いずれにしても、家族に“ちょっと先の未来”をイメージすることでワクワクしてもらう、というコンセプトで始まったイベントです。

さとう:
そのような想いでかぞくみらいフェスを開催し続けてこられたのですね。それでは、CHART projectに出展のお声がけをいただいた経緯はどのようなものだったのでしょうか?

杉山さん:
ちょうど3年目を迎えたかぞくみらいフェス2019の副題が、「自由に考えよう 自由にやってみよう」になりました。イベントブースのコンテンツを決める中で、“自由”がテーマのワークショップはどうかという話になり、フォーマットはあるけれど、参加者が自由に展開を決められるようなものを探していたのです。そのとき、ひとしずくさんから伺っていたCHART projectがすぐに思い浮かびました。

さとう:
ありがとうございます! 今年のテーマが決まった段階から候補に挙げてくださったのですね。

杉山さん:
はい。ワークショップに参加する子どもたちにはぜひ、自由に絵を描くことで、その絵の背景にある社会課題について自ら“気づく”という体験をしてほしいと思いました。

さまざまなコンテンツが集まった「かぞくみらいフェス2019」では、<みらいのくらし>カテゴリで「CHART project®︎」のブースを出展した

さとう:
我々も、「押しつけない」「自発性」という考えを大切にしていたのでうれしい限りです。
ひとしずくとしても、今回の出展は、CHART projectの新たな作品を作り、イベントで初めてお披露目をさせていただくというチャレンジでもありました。準備を進める中で、まず、作品の元となる社会課題を表すグラフデータは、かぞくみらいフェスのテーマである「子ども」を題材にしようと考えました。

杉山さん:
それを知ったとき、とてもうれしかったですね。

さとう:
そのようにおっしゃっていただけると我々もうれしいです。その後、子ども支援専門の国際NGOである公益社団法人セーブ・ザ・チルドレン・ジャパンさんより「日本の子どもの相対的貧困率の推移」のグラフデータを選定いただき、そのグラフの線を作品のモチーフとすることに。
作品を手がけるアーティストであるCHARTist(チャーティスト)として、杉山さんからはイラストレーターのYUKO KIMOTOさんをご紹介いただき、ひとしずくのつながりのあった絵本作家ユニットのr2さんにもお願いして、2組に作品を1点ずつ制作していただきました。

杉山さん:
ふたつ作品があるのは面白かったですよね。同じ社会課題のグラフデータでも、人によって感じ方や表現の仕方がこうも違うのだと思いました。CHART projectは、いつも共通のグラフデータを元に作品作りをお願いしているのですか?

さとう:
実は、共通のグラフデータを使って別の方々に制作していただくというのは、今回初めての取り組みでした。作品を作る過程では、グラフデータを提供してくださったセーブ・ザ・チルドレンさんにCHARTistさんたちをご紹介し、データが表している貧困率の背景について直接説明していただくなど、新たな試みもできました。作品自体も素晴らしく、たくさんの方々にご好評いただき、杉山さんが出展をお声がけくださったことをとても感謝しています。

頭で理解するよりも、楽しみながら体感することを目指したワークショップを展開

ブースではCHARTist YUKO KIMOTOさんとr2さんの作品展示と、参加者自身による作品の制作体験ができるワークショップを開催。社会課題を表すデータのグラフ線だけが描かれた画用紙を配り、課題が改善された状態を自由にイメージした絵を描いてもらった

杉山さん:
CHART projectのブースは、イベント2日間で参加者が約200人と、盛況でしたね。

さとう:
実はもっとたくさんの方々に興味をおもちいただいていたのですが、まずは目の前の参加者ひとりひとりに向けて、CHART projectについてきちんと説明することを優先しました。参加者用のパンフレットも無作為にお配りするのではなく、説明できた方にだけお渡ししようと決めていたのです。多くの方々に知ってもらうというよりも、深く共感してもらえる方を増やしたいと考えていました。

杉山さん:
そうだったのですね。もっとたくさんの方にもお立ち寄りいただけそうな気がしていたので、理由を聞いて納得しました。
イベント当日、私は会場全体を見なければならなかったため、CHART projectのブースにはなかなか足を運べなかったのですが、参加されたお子さんや親御さんの反応はいかがでしたか?

さとう:
まず未就学児のお子さんにとっては、社会課題という背景自体難しいと思いますが、あえてきちんと説明することで、親御さんに「このワークショップには勉強の要素も含まれているのだな」と、関心をもっていただけた様子でした。さらに、ただ勉強するだけではなく、子どもたちが楽しみながら絵を描く中で自然に社会課題のグラフデータにふれることで、“頭で理解するよりも、体感してわかる”というワークショップになったと思っています。

杉山さん:
子どもが人生で初めて知るチャートがCHART projectの作品からというのは、いいですね。小さい頃から自然と社会課題にふれることで、その後の意識が変わるように思います。

さとう:
はい。小学校中学年・高学年のお子さんたちも、学校の教科書などから社会課題を知るのとはアプローチが異なるので、興味をもってもらいやすかったですね。
ただ、今回のワークショップは、もともとお子さんたちに深く理解してもらうというよりも、その様子を眺める親御さん、大人たちに向けてアピールしたいという想いもありました。ブースには椅子をたくさん設置して、会場内を歩き回って疲れたお母さんやお父さんに休憩してもらいながら、作品をじっくりと見てもらうように工夫しました。

杉山さん:
先ほどお話したように、かぞくみらいフェスには、子どもたちやその家族の方に体験することで“気づき”を得てもらいたいというコンセプトがあります。
CHART projectも言葉で示すアプローチではなく、体感してもらうことで、参加者に何か“気づき”を得てもらうことができたのではないでしょうか。“ちょっと先の未来”を考えるきっかけになったのではないかと思います。

さとう:
そのようにおっしゃっていただけると、とてもうれしいです。かぞくみらいフェス2019には社会課題を題材にしたコンテンツは少なかったという点でも、我々が参加させていただいた意義があったように思います。CHART projectは派手なコンテンツではないですが、イベント全体の中で特色を打ち出し、インパクトを残せたのではないかと考えています。

杉山さん:
そうですね。実は、最初にCHART projectの構想を伺ったとき、ビジネスとしてどのように展開するのか?と思った部分も正直ありました。でも、ひとしずくさんはずっと力を注いでこられて、今回初めてコラボレーションしていただき、CHART projectはこのように発展していくのだなとわかったような気がしました。

イベント終了後も、海外などさまざまな場所で羽ばたき続けるCHARTistの作品

「かぞくみらいフェス2019」のために制作された「Angels Holiday」(r2作・左)、「夢でいっぱい」(YUKO KIMOTO作・右)。その後、セーブ・ザ・チルドレン創設100年記念チャリティディナーやスウェーデンでの展覧会でも展示された

さとう:
かぞくみらいフェス2019のために制作した作品は、イベント後もさまざまな場所で影響を広げています。
セーブ・ザ・チルドレンさんからグラフデータを選定いただいたご縁により、5月に開催されたセーブ・ザ・チルドレン創設100年記念チャリティディナーで、r2さんの作品を展示していただきました。さらに、来賓として訪れていた秋篠宮妃紀子さまと佳子さまが作品の説明パネルをご覧になった様子がテレビニュースでも報道されていました。

杉山さん:
それはすごいですね! セーブ・ザ・チルドレンさんから作品を貸してほしいというお話があったのですか?

さとう:
はい。とても気に入ってくださり、お声がけいただきました。CHART projectの作品は絵画としての存在感も抜群なので、チャリティディナー会場にもマッチしたのではないかと思います。
さらに7月には、スウェーデンのゴットランド島にて、海外初の展覧会「CHART project® for SDGs in Sweden」を開催し、かぞくみらいフェス2019でお披露目した2作品を展示しました。現地の方々には、YUKO KIMOTOさんの作品がとても人気でした。スウェーデンでは日本のマンガ文化への関心が高く、「作品のタッチがマンガに似ている」という声もあり、作品を撮影してSNSでシェアしてくださる方も多かったです。

杉山さん:
CHART projectの手法として、“アートとして表現する”ことを選んだのがよかったですね。言葉で翻訳するなどしなくても、作品自体をそのまま海外に持っていける強みがあると思います。

さとう:
もともと、海外への展開を見据えて言葉がなくても伝わるように設計していて、インスタグラムで広めるために作品はすべて正方形で制作していました。スウェーデンでの反響を知ったときは、本当にうれしかったですね。

杉山さん:
本当に素敵なプロジェクトですよね。私自身、かぞくみらいフェス2019終了後も、CHART projectの動向を知るたびに、うれしく思っていました。これからも楽しみにしています。

さとう:
ありがとうございます。かぞくみらいフェス2019に出展した2作品を含め、CHART projectは、今後も多方面からオファーをいただけるような大きな可能性があると思っています。またご一緒させていただける機会がありましたら、ぜひよろしくお願いします。

左から、HITOMINAの杉山さん、ひとしずくのさとう

 
撮影:疋田千里 編集:よしだあきこ

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代表こくぼひろし
設立2016年3月
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顧問社労士社会保険労務士法人ワーク・イノベーション